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徒然なるままに
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中小企業に税の支援を

 徒然なるままに  このところ、日本経済は株価が上昇傾向となり、大企業の業績も上向き、景気の回復基調が鮮明になってきた。しかし、依然として中小企業からは景気回復の声が聞こえてこない。逆に景気の回復によって、原材料の値が高騰し、収益を圧迫しているという声のほうが多い。また、過去の過剰債務による元利金の支払も経営を圧迫する要因になっている。空前の低金利が続いてはいるが、金融機関が貸出先に対して格付けを行い、格付けの低い企業には高い金利を適用するという方針を打ち出したため過剰債務にあえぐ中小企業は利払いが増加する傾向にある。また支払が滞った中小企業に対して容赦ない取立てを行うので中小企業はどんどん行き詰ってくる。

 かつて、政府の中小企業に対する支援は、貸し渋り対策などとして保証協会で5,000万円までの保証枠を設けて金融安定化資金を貸し付けるなど、借入金をさらに増加させる対策ばかりだった。その政策は金融機関がプロパー融資から保証協会の保証がついた融資に切り替え、金融機関のリスクを削減しただけで中小企業にとっては債務が増えただけの結果に終わった。返済期間は5年で、1年間の返済猶予があったから、満額借りれば4年で5,000万円を返済しなければならない。中小企業でそれだけの返済能力があればどこの金融機関でも喜んで貸してくれるだろう。現実にこれらの返済は滞り、代位弁済が急増し、保証協会側でも代位弁済を渋るようになったという。

 このような経緯を経て、最近では各地に中小企業再生支援協議会なるものが設置されて中小企業の再生の支援を行ったり、個別に民間のサービサーを介在させて債務を処理するなど中小企業に対しても債権放棄を含む抜本的な再生、再建が行われるようになってきた。2004年9月13日の日本経済新聞夕刊では、『中小再建へ新ファンド』という見出しで、ファンドが経営の行き詰った中小企業からその事業用不動産を買い取り、その代金で借入金を返済させ、買い取った不動産はそのままその中小企業に貸し付け賃貸料を受け取ると同時に、その企業の経営についてアドバイスを行い、再建を後押しするというスキームが載っていた。その際、債務が多すぎる場合には金融機関に対し債権放棄を求める。

徒然なるままに せっかくこのような再生支援策が打ち出されても、免除された債務に対して税金がかかってはとても支払える能力はない。青色欠損金の繰越は5年(平成13年4月1日以後開始事業年度以後は7年)で消えてしまうので、債務超過に陥っていても、繰越欠損金が残っているとは限らない。特に、中小企業はここ数年は、金融機関の貸し渋り対策のために無理をしても利益を出してきた。また、商法には反するが減価償却をしないで赤字を減らしている企業もある。

 法人税法では、企業が法律に基づいて自己破産したり、民事再生法により再生したりする場合、債務免除されたり、役員等から私財提供を受けた利益について、過去の欠損金の累積額のうちその期首に残っている部分までは課税しない制度がある。また、自己破産や会社更生法の適用を受けると資産の評価替えを行うこともできる。中小企業が、再建を行う場合、これらの規定を使って債務免除益に対し課税しないような法整備が行われれば中小企業の再生の後押しをすることができるだろう。

 わが国では、債務免除自体、モラルハザードと非難する見解が大勢を占めるが、バブル崩壊により消滅した財産価値にこれらの処理が遅れたために積みあがった金利が加わり、通常の方法では解消できない額の不良債権債務が存在する。金融機関、大企業の業績回復は、多額の債権放棄と税による救済が行われた結果である。中小企業における不良債権についても、経営者の放漫経営によるものもないとはいえないが、銀行の乱脈融資によるものも多い。それらの責任をすべて中小企業の経営者とその一族、あるいは保証人に負わせるのはいかがなものか?中小企業の経営者には失業手当も、退職金もない。会社が破綻すれば残るのは個人保証した債務だけである。また、この個人保証がネックになって、民事再生法等の法的再建ができないのも事実である。

 最近になって中小企業に対する債務免除型の再生支援の動きが出てきたとはいえ、まだまだハードルは高く、無税で償却できたり、債務免除益に対して課税されないからといって無闇に債務免除が行われることは考えにくい。 また、債務者についても損金算入の限度が、過去から繰り越してきた累積欠損金の額に限られることや、固定資産の評価損の損金算入を認めても、その後の事業年度で計上できる減価償却費が減少することから課税回避には当たらない。何よりも、中小企業に対し、支援を行わないで安易に倒産するに任せておくと、自殺者やホームレスが増加し結局は社会全体に悪影響を及ぼすことになる。また、再建して利益を出せば、そのときは納税主体になり得るので、税制による支援は有効な政策だと思える。

 せっかく見えてきた景気回復を持続させるためにも、中小企業の再生は不可欠である。そのためには債務免除も含めた抜本的な対策とともに、税制の支援が必要である

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