ところで、借金漬けの日本で政府、地方合わせて約1,000兆円、さらに、第三セクターや特殊法人の債務保証額もあわせるといくらになるか分からないくらいの膨大な債務、これらを一体どうしてくれるんだという国民の声に、政府も自民党も何も答えてくれない。社会保障の一端である年金一つにしても、膨大な年金積立金があるにもかかわらず、これを取り崩すことを頑なに拒み、国民に保険料の負担ばかり押し付けようとしている。おかげで、社会保険料の負担に耐えかねて、社会保険から脱退したり、正社員の雇用を抑制したり、賃金を抑制したりといった企業が続出、しまいには破綻して、その結果民間の人的資源がどんどん潰されていく様は、見るに忍びない。
膨大な年金積立金は、戦後の団塊世代が、その時代の年金受給者に必要な保険料以上の金額を支払い、積み立てたものである。それを積み立てた世代に還元することは当然過ぎるほど当然だと思うが、何が何でも現役の労働者に老人の年金を負担させなければならないのであろうか?少子高齢化の時代にあって、もっと柔軟に、みんなが幸せになれる方法を考えるのが政府の責務だと思う。政府の言うような抜本対策で100年かけて積立金を取り崩すなんて、ナンセンスである。100年もたてば、今年生まれた世代だって、ほとんどが死に絶えている。そのころには人口構成だって大幅に変わっているはずだ。積立金の取り崩しは30〜40年くらいで終わるようにし、後は401Kなどの確定拠出型の積み立て型年金に徐々に移行すればよいと思う。
横道にそれてしまったが、このあたりで本題に戻ろう。債務1,000兆円、現在これが天文学的な勢いで増え続けているわけであるが、永遠に増加させ続けることは物理的にできない。放置すればいつかは破綻する。
これらの債務の弁済方法としてどのような方法が考えられるのであろうか?
まず第1に、国民の税を含めた政府、地方の予算の中から弁済していく方法。これが1番まっとうである。政府予算といっても、たかだか80兆円余り。このうち国債の新規発行が40兆円近く、いったいどうやって弁済するんだ?と思われるかもしれないが、80兆円というのは一般会計だけの話である。国会でも審議されず、ましてや国民の目になど触れない特別会計の予算規模は何百兆円である。この特別会計は、ちょっと検査しただけでもありもしない研究会の予算が計上されていたり、どこかのOB企業に高額で発注したり、国民の目に触れないところで様々な無駄を生んでいる。一般会計と特別会計を合わせれば重複している部分を除いても、予算規模は2百兆を優に超える。それで考えると債務は年間予算規模の5年分以内である。住宅ローンだって、年収の5倍以内であれば普通に返せるのだから、特別会計もあわせたところで全体の無駄を省き、その部分を国債の償還や財政投融資の債務の弁済に当てれば十分弁済は可能だ。
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